人事労務ニュース
人事労務ニュース

文書作成日:2023/05/16

今後の最低賃金引き上げの方向性

 近年、最低賃金は大幅な引上げが行われており、企業経営に大きな影響を与えています。今年10月の最低賃金引き上げはどうなるのか、更にはその後も現在のような高水準での引上げが継続されるのかについて強い関心をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、2023年4月12日に、内閣官房新しい資本主義実現本部事務局が公表した「三位一体労働市場改革の論点案」の中から最低賃金に関する今後の論点について見ていきましょう。

[1]「三位一体労働市場改革の論点案」
 最低賃金に関して「三位一体労働市場改革の論点案」の中に記載されている内容をまとめると、以下のとおりとなります。

  1. 今年は、全国加重平均1,000円を達成することを含めて、公労使三者構成の最低賃金審議会で、しっかりと議論してもらう。
  2. 地域間格差の是正を図るため、地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げることも必要。
  3. 今夏以降は、1,000円達成後の最低賃金引上げの方針についても(新しい資本主義実現会議で)議論を行う。

 これはあくまでも今後の議論の方向性ということで、実際には今後の議論が待たれるところではありますが、今年も例年相当、もしくはそれ以上の最低賃金引上げの可能性が出てきています。

[2]最低賃金の地域間格差縮小への動き
 [1]の2.でも最低賃金の地域間格差是正が論点となっていますが、この点については既に具体的な動きが見られます。最低賃金は、中央最低賃金審議会から示される引上げ額の目安を参考にしながら、各都道府県の地方最低賃金審議会で地域の実情を踏まえた審議・答申を得た後、異議申出に関する手続きを経て、都道府県労働局長により決定される仕組みとなっています。

 この目安については、従来A〜Dの4区分が設けられており、東京・大阪などの都市部と地方では目安額に差が設けられることが通例となっていました。今回、この区分がA〜Cの3区分へ再編されることとなり、最低賃金の地域間格差の縮小が図られることとなっています。※図はクリックで拡大されます。

 諸外国との賃金格差の縮小が大きな課題となる中、最低賃金に関しても、今後、大きな動きが予想されます。人手不足による採用難もあり、賃金は上昇傾向にありますので、今後の賃上げに備えた生産性の向上がまずは求められます。


■参考リンク
内閣官房新しい資本主義実現本部事務局「三位一体労働市場改革の論点案
厚生労働省「第65回中央最低賃金審議会 資料

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。


三可社会保険労務士事務所の代表 三可剛史(さんかたけし)と申します。 【プロフィールはこちら】




facebookもご覧ください


お問合せ
三可社会保険労務士事務所
〒932-0134
富山県小矢部市平桜6082
TEL:0766-69-7788
FAX:0766-69-7787
対応地域
富山県(一部地域除く)
石川県(金沢市、野々市市、白山市、かほく市、内灘町、津幡町)
メールでのお問合せ
小冊子プレゼント
ご希望の方に「助成金ガイドブック」を差し上げます 申し込みはこちら ※数に限りがありますのでご了承ください。


      
当事務所はSECURITY ACTION 二つ星を宣言しています。

SECURITY ACTIONとは中小企業自らが情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度です。

     
当事務所は社会保険労務士個人情報保護事務所認証(SRPU)を取得しています。

SRPUとは個人情報保護評価書を導入し、マイナンバーに対応した安全管理措置を講じている社会保険労務士事務所として全国社会保険労務士会連合会が認証している制度です。

業務提携士業
弁護士法人菰田綜合法律事務所(福岡)
 WORKtheMAGICON行政書士人(東京)