人事労務ニュース
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文書作成日:2025/04/01

2025年度の雇用保険料率と賃金の考え方

 雇用保険料率は財政状況に応じて毎年度、見直しが行われています。以下では、決定した2025年度の雇用保険料率と、雇用保険料の対象となる賃金等について確認します。

[1]2025年度の雇用保険料率
 雇用保険財政は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で一時的な悪化が見られたものの、財政状況の回復も見られることから、2025年度は下表のとおり、前年度から引下げとなります。

2025年度の雇用保険料率

従業員負担 会社負担 合計
一般の事業 5.5/1,000 9/1,000 14.5/1,000
農林水産・清酒製造の事業 6.5/1,000 10/1,000 16.5/1,000
建設の事業 6.5/1,000 11/1,000 17.5/1,000

[2]雇用保険料の対象となる賃金
 雇用保険料の対象となる賃金とは、賃金、手当、賞与、その他名称を問わず労働の対償として会社が従業員に対し支払うすべてのものを指します。基本給や各種手当はもちろんのこと、非課税である通勤手当も対象となります。また、割増賃金の算定基礎には含まれない住宅手当や家族手当も対象となります。
 給与を通貨ではなく、現物給与として支給するときには、代金を徴収するものは、原則として賃金に該当しません。ただし、徴収する金額が実際の費用の3分の1を下回っている場合は、実際費用の3 分の1に相当する額と徴収する金額との差額部分が、賃金として取扱われます。実際の費用の3分の1を上回る代金を徴収しているものは現物給与として扱われません 。

[3]離職票等に記載する賃金
 雇用保険料の対象となる賃金のうち、「臨時に支払われる賃金」と「3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金」を除いたものが離職証明書(いわゆる「離職票」)等に記載する賃金です。
 「臨時に支払われる賃金」とは、支給されることがまれであるか、不確実であるものをいいます。また、「3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金」とは、毎月の定期給与以外の賃金のうち、年間を通じての支給回数が3 回以下のもので、いわゆる「賞与」を指します。
 そのため、就業規則等により年間を通じて4 回以上支給される場合は、3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金に該当しないこととなり、離職票等においては「賃金に関する特記事項 」として記載が必要です。

 雇用保険料の対象となる賃金や、離職票等に記載する賃金については、普段見返す機会があまりないかと思います。この機会に適正な処理をしているかを確認してみるとよいでしょう。

■参考リンク
厚生労働省「令和7(2025)年度 雇用保険料率のご案内
厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

三可社会保険労務士事務所の代表 三可剛史(さんかたけし)と申します。 【プロフィールはこちら】




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